【高校では教えてくれない裏ワザ】

高校の先生は教えてくれない裏ワザ[8]:どうしても因数分解出来ない時は $\omega$ を試してみよう!

高校の先生は教えてくれない裏ワザ[7] を使って、有理数解が見付からない高次代数方程式の場合には、$\omega$ を試してみると、上手くいくことが少なくありません。

ここで、$\omega$ とは1の3乗根で1ではないもので $x^2 + x + 1 = 0$ の解であり
\begin{eqnarray}
\omega &=& \frac{- 1 \pm \sqrt{3} i}{2}
\end{eqnarray}
の事です。一方を、$\omega$ とすると、もう一方はその複素共役なので、$\overline{\omega}$ と書くことが出来ます。

でも、だからと言って、上の複素数を方程式に代入して計算することはありません。
この $\omega$ は $\omega^3 = 1$ と $\omega^2 + \omega + 1 = 0$ の2つの式を満たします。

これは、
\begin{eqnarray}
x^3 – 1 &=& (x – 1)(x^2 + x + 1)
\end{eqnarray}
から、即座に分かることです。

もし、$x = \omega$ を代入して $0$ になれば $x = \overline{\omega}$ を代入しても(実係数代数方程式の場合) $0$ になります。
従って、$(x^2 + x + 1)$ を因数として持つことが分かります。

例を挙げましょう。

例題1

\begin{eqnarray}
x^5 + x + 1
\end{eqnarray}
を整数係数の範囲で因数分解せよ。

$x = \omega$ を与式に代入すると
\begin{eqnarray}
\omega^5 + \omega + 1 &=& \omega^2 + \omega + 1 \\
&=& 0
\end{eqnarray}
なので、$(x^2 + x + 1)$ を因数を持つことが分かり、実際に多項式の割り算の計算から
\begin{eqnarray}
x^5 + x + 1 &=& (x^2 + x + 1)(x^3 – x^2 + 1)
\end{eqnarray}
と因数分解出来ることが分かります。

もう一つ、例題をやってみましょう。

例題2

\begin{eqnarray}
x^7 + x^2 + 1
\end{eqnarray}
を整数係数の範囲内で因数分解せよ。

与式に $x = \omega$ を代入すると
\begin{eqnarray}
\omega^7 + \omega^2 + 1 &=& \omega + \omega^2 + 1 \\
&=& 0
\end{eqnarray}
となり、やはり、$(x^2 + x + 1)$ を因数として持つことが分かります。
実際に多項式の割り算を行うと
\begin{eqnarray}
x^7 + x^2 + 1 &=& (x^2 + x + 1)(x^5 – x^4 + x^2 – x + 1)
\end{eqnarray}
と因数分解出来ることが分かります。

$\omega^3 = 1$ なる関係が成り立つので、$\omega^2$ と $\omega^1$ と定数項しか出てこないのがミソです。

もちろん、これで上手くいくとは限りませんが、簡単に因数分解出来ない場合に試して見る価値はあるでしょう。

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