【数学IA】

2020年(令和2年)数学ⅠA【第1問】[3]

(1)

$y = x^2$ のグラフを $x$ 方向に $\alpha$、$y$ 方向に $\beta$ 並行移動させた関数は
\begin{eqnarray}
y – \beta = (x – \alpha)^2
\end{eqnarray}
となる。

$f(x, y) = 0$ のグラフを $x$ 軸の正の方向に $\alpha$ だけ並行移動し、$y$ 軸の正の方向に $\beta$ だけ並行移動させた時のグラフは
\begin{eqnarray}
g(x, y) = f(x – \alpha, y – \beta) = 0
\end{eqnarray}
で表される。

この理由を説明しよう。

例えば $f(x, y) = 0$ 上の点 $(x_0, y_0)$ を考えよう。この点は $f(x, y) = 0$ 上の点と仮定したので $f(x_0, y_0) = 0$ を満たす。この時、$g(x, y) = f(x – \alpha, y – \beta)$ で定義された関数 $g(x, y)$ を考えると、$g(x_0 + \alpha, y_0 + \beta) = 0$ が成り立つ。なぜならば、$g(x_0 + \alpha, y_0 + \beta) = f(x_0 + \alpha – \alpha, y_0 + \beta – \beta) = f(x_0, y_0) = 0$ となるからである。すなわち、$f(x, y) = 0$ 上の点 $(x_0, y_0)$ は $x$ 軸の正の方向に $\alpha$, $y$ 軸の正の方向に $\beta$ だけ並行移動した点 $(x_0 + \alpha, y_0 + \beta)$ に移るからである。

この関数が2点 $(c, 0), (4 c, 0)$ を通るので
\begin{eqnarray}
0 – \beta &=& (c – \alpha)^2 \\
0 – \beta &=& ( c + 4 – \alpha)^2
\end{eqnarray}
が成立する。この連立方程式から $\alpha, \beta$ を求める。第2式は
\begin{eqnarray}
– \beta &=& (c – \alpha)^2 + 8 (c – \alpha) + 16
\end{eqnarray}
と展開することが出来て、第1式を用いれば
\begin{eqnarray}
0 &=& 8 (c – \alpha) + 16 \\
\alpha &=& 2 + c
\end{eqnarray}
が得られる。

これを第1式に代入すれば
\begin{eqnarray}
– \beta &=& (c – (2 + c))^2 \\
\beta &=& – 4
\end{eqnarray}
が得られる。

結局、グラフ $G$ の方程式は
\begin{eqnarray}
y – (-4) &=& (x – (2 + c))^2 \\
y &=& x^2 – 2(c + 2) x + c(c + 4)
\end{eqnarray}
と求めることが出来る。

もっと簡単な計算で、この方程式を得る事も出来る。

すなわち、求めるべき2次方程式は2点 $(c, 0), (c + 4, 0)$ を通るので、この2次方程式の2つの実数解は $c, c+ 4$ であることが分かる。さらに、並行移動によって $x^2$ の係数は変わらないので、求める方程式は
\begin{eqnarray}
y &=& (x – c)(x – (c + 4)) \\
&=& x^2 – 2(2 + c) x + c(c + 4)
\end{eqnarray}
と得る事が出来る。

さらに、この式を平方完成することにより、$x$ 方向と $y$ 方向にどれだけ並行移動したかも分かる。
\begin{eqnarray}
y &=& x^2 – 2(2 + c)x + c(c + 4) \\
y &=& (x – (2 + c))^2 – (2 + c)^2 + c(c + 4) \\
y + 4 &=& (x – (2 + c))^2
\end{eqnarray}
これより、$y = x^2$ のグラフを $x$ 軸方向に $2 + c$、$y$ 軸方向に $-4$ だけ並行移動させたものであることが分かる。

さらに、2点 $(3,0), (3, -3)$ を両端とする線分と $G$ が共有点を持つような $c$ の値の範囲を求める。すなわち、$x = 3$ の時に $y$ の値が $ -3 \le y \le 0$ であれば良い。

この事を式で表現すると
\begin{eqnarray}
-3 \le (3 – (2 + c))^2 – 4 \le 0 \\
1 \le (1 – c)^2 \le 4
\end{eqnarray}
となる。先ず、$1 \le (1 – c)^2$ なる条件について考えると
\begin{eqnarray}
1 – c \ge 1\ &\mbox{or}&\ 1 – c \le – 1\\
c \le 0\ &\mbox{or}&\ c \ge 2
\end{eqnarray}
なる条件が得られる。

次に、$(1 – c)^2 \le 4$ なる条件について考える。この条件から
\begin{eqnarray}
-2 \le (1 – c) \le 2 \\
-2 \le c \le 3
\end{eqnarray}
なる条件が導かれる。

従って、これらの条件を組み合わせると
\begin{eqnarray}
– 1 \le c \le 0,\ 2 \le c \le 3
\end{eqnarray}
なる条件が得られる。



(2)

$2 \le c \le 3$ の時に $G$ が点 $(3, -1)$ を通るような $c$ を求めると、$G$ の方程式に $x = 3, y = -1$ を代入して
\begin{eqnarray}
-1 + 4 &=& (3 – (2 + c))^2 \\
3 &=& (1 – c)^2 \\
0 &=& c^2 – 2c – 2 \\
c &=& 1 \pm \sqrt{3}
\end{eqnarray}
が得られるが、$2 \le c \le 4$ なる条件より、
\begin{eqnarray}
c &=& 1 + \sqrt{3}
\end{eqnarray}
と求まる。

すなわち、$G$ は $y = x^2$ のグラフを $x$ 軸方向に $2 + c = 3 + \sqrt{3}$だけ並行移動し、$y$ 軸方向に $-4$ だけ並行移動したグラフである。

また、このグラフの $y$ 軸との交点の $y$ 座標は $x = 0$ を代入して
\begin{eqnarray}
y &=& (2 + c)^2 – 4 \\
&=& c^2 + 4 c \\
&=& (1 + \sqrt{3})^2 + 4(1 + \sqrt{3}) \\
&=& 8 + 6 \sqrt{3}
\end{eqnarray}
と求まる。

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